2013/10/28

劇場版 魔法少女まどかマギカ[新編]叛逆の物語


見てきた。
以下、思い出しネタバレ有り感想。

■序盤
普通の魔法少女モノになってて違和感ありまくり。
魔法少女5人が欠けることなく一緒に戦うのは対外的にはファンサービスで、劇中内的にはループする以前の暁美ほむらの潜在的夢なのかと中盤の内容で判断。
インキュベーターとか魔女のからくりとか知る前は、こうやって力を合わせて戦えるんだと思ってそうで泣ける。
10話の過去回想で杏子はいなかったものの、4人で戦ってた時は一人足手まといの節もあったけど、この時間軸では立派な戦力としてチームの一員になっていることからも潜在的な気持ちなのかと伺える。

変身シーンとかナイトメアの浄化シーンをくどくやっていたのは、一般的な感覚としての魔法少女モノってことに合わせてたのかと思うと納得できるけど、まどかでやると違和感ありまくり。
まあ、変身シーンの何とも言えない不気味さはやっぱりまどかだなぁとは思っていたけど、正直なところ、パラレルワールドか?なんかがっかりだなーと落胆してしまった。

とにかく序盤は違和感たっぷりな進展だった。
でも、メガほむ成分がたっぷりあったのでそこは満足です。


■中盤
視聴者が序盤の魔法少女モノ(間違っていないが)に違和感の募らせている最中に、劇中のほむらも違和感を覚える。
違和感の正体は、本来は知らないものを知っていたり、存在しないモノが存在していたりとかそういうほころびが徐々に出てくることからだったんだけど、極めつけは生活区から出られないという閉鎖空間要素。
バスに乗って隣の街へ行こうとするけど、そのバスは自分の街を巡回するだけで、いつまで経っても隣の街へは行けない。
こういう事象は推理モノによくあるクローズド・サークルの一つ。
推理モノは、クローズド・サークルを作ったのは人為的犯行ならこれから殺人を犯すだろう犯人で、目的は目当ての人間を逃さないため、外界との通信を断つためというのがオードソックスだけど、今回の閉鎖空間は目的も意図もはっきりしていないので、推理が始まる。
ここから俄然面白くなってきた。

ほむらvsまみさんの戦闘は凄いとしか言えない圧巻の作画量だったし、推理の果てに辿り着いたのは違和感を感じた自分が原因という残酷的な真相で視聴者の度肝を抜くという。まあ、この真相は結構見ていればわかるものだったけど。
本来ありえない世界観を違和感と捉えるのは、真実を知っているほむらからしたら至極当然なんだけども、そのありえない世界を造り出したのも本人なので、やっぱりこういう世界に憧れていたのかなあっていうのがストレートな憶測なんだけど、ミスリードなのかな、どうなのかな。
全然関係無かったら恥ずかしい。


■終盤
わけがわからないよ


TV放送ラストで、魔法少女が討伐するのは魔女ではなく魔獣になった世界になったわけだけど、魔法少女が戦い続けなければいけないのは変わらない。当然戦い続けたらソウルジェムが濁ってくるので、改変前の世界だったら魔女化してしまう運び。だけど、そこはアルティメットまどか(=円環の理、以下Uまどか)が魔女になる前に回収?して魔女になるのを防ぐというのが改変後の世界の理らしい。
そして、回収された魔法少女(劇中ではさやかとベベ)は円環の理の一部となってUまどかの手伝いをするって感じかな。

この円環の理システムに目をつけたのがインキュベーター(以下QB)。
このシステムは世界の外側の事象(概念?)なので、内側であれこれ画策する物質的なQBには存在が認識できない。
でも、魔女化する直前の魔法少女に接触してくる時は干渉してくるよね。
じゃあ、その時を狙って存在を認識すれば、今まで存在を知らなかったことで干渉出来なかったけれど、干渉できるようになって支配もできるかもしれないよってことで、ターゲットにされたのがほむら。

でも、ほむらはUまどかをQBの好きなようにはさせたくないから、自らの精神?を閉鎖空間に入れて、QB並びにUまどかが手を出せない世界に閉じこもると。

これで閉鎖空間を生み出した意図がわかったわけで、ここに繋がってくるのかあとTVラストから序盤、中盤からの繋がりに、ちゃんと続きものになっていて設定も引き継がれていると度肝を抜かれる。

そりゃそうだ。
人間の感情なんてお構いなしにエネルギー収集効率だけを考えて活動しているQBは、更なるエネルギーの供給源の存在があるとしったら、それを何とかしようとするだろう。
まさか、一応ハッピーエンドっぽく終わったTV放送の全てを覆そうとするとは思わなんだ。

真実が告げられて、そこからなんやかんやといろいろあって(大合戦が凄かったのは覚えてるけど、詳細は微妙)、最終的にUまどかがほむらを救いに現れて、QBにも邪魔されないで円環の理の一部(Uまどかの一部)になってめでたし、めでたしで終わるかと思いきや、ほむらが愛を募らせすぎてヤンデレ化。


■終盤2
映画見ている人全員、ハッピーエンドで終わると思ってたと思う。
まさかまどかの想いを一番よく知っているほむらがその想いを無しにするとは思わなかっただろうし、QBじゃないけど、TV放送なかったコトにするつもりかって。
まあ、TVの物語があったからこそ、ほむらはまどかと出逢って、魔法少女の悲しい因果をぶっ壊して世界は改変されたんだけど、また世界を作り替えるってどんだけ愛が重いんだと。
改変の改変された世界は、まどかが転校生+臆病物っていう一番最初の時間軸のほむらみたいな存在になって、本来まどかが担っていた転校生を導くっていう役割がほむらになっていたりして微妙に世界観が改変されている。
まどかへの想いが強すぎるから世界を改変してまでも、まどかと一緒にいる世界を選んでみたけれど、結局守られてばっかりだった存在のほむらはまどかになりたがっていたんじゃないかという憶測もなきしにもあらず。
まどかの犠牲によって(犠牲というのも変だけど)、魔法少女は救われることになったけど、ほむらが思うのはやっぱり最初から最後までまどかに守られっぱなしだったってこと。Uまどかになる時間軸では孤軍奮闘してまどかを魔法少女にしないように助けるけど、ワルキルプスの夜との戦闘でやっぱり助けられちゃって、そのまま守ることができない存在になってしまう。だから、友情やら愛やらいろんな想いが募った結果、デビル化したけれど、根本にあるのはまどかを助ける自分(=まどかのような存在)になりたかったとかそういうことじゃないのかなあって。br><

もう終盤~終盤2にかけて怒涛の展開すぎて、こうやって文章でまとめてみても思考が追いつかない。 エンドロールが流れてのTVアニメでいうCパートにボロボロなQBと意味深な行動でフェードアウトしたほむらが映ってたけど、続きやるのかねこれ。
こっからどうやって話を持っていくのか、やっぱり本編で言ってたように、ほむらvs他の魔法少女の戦いになるんだろうか。だけど、戦ったからといって、ほむらの主張は変わらないだろうし、これ以上の話の進展はないように思える。

TV放送の円環エンドと劇場版のデビルエンド、どちらがいいかと言われると一人の犠牲がない(Uまどかの存在は未だあると思うけど)デビルエンドのほうがいいんだけど、こちらも悪魔ほむらを犠牲にしていると言えばしている。円環エンドもデビルエンドも共通点は一人の魔法少女の犠牲の上の一応のハッピーエンドなんだけど、やっぱり大団円となるには誰の犠牲もなくハッピーエンドとなるのが一番いい。
けれど、脚本からしてそうなるはずがないし、続きがあったとしても、酷いことにならなければいいんだけど。

まあ、悪魔ほむらの活躍にはとても期待していますが。

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