2013/03/22

僕は友達が少ないNEXT 第10話

僕は友達が少ない NEXT 第10話「残念王と笑えない話」

>夜空の書いた映画の脚本には、とんでもない裏があった。
>部員たちの前で理科からどうしてこんなことをしたか問いただされ、うなだれる夜空。
>これからどうするか一同が迷っていると、星奈は自分の脚本で撮り直そうと言い出す。


難聴男と小声女という今風なタイトルのラノベを出したら売れるんじゃないですかね。



ヒロインが小声で本音をボソっと喋ることに対して、主人公が「え、なんだって?」と返すのはラブコメの定番のようなものなんだけど、それの頻度が高すぎるとまた出たよ、突発性難聴とネタを通り越して不快にも感じる。
自分は、主人公が「え、なんだって?」を意図的にやっていたというネタバレを原作発売時にくらっていたので、アニメでこの台詞が頻発していたのもネタとして受け取りながら、いつボロが出るんだろうと楽しみに見ていたけれど、知らずに見ていた人は主人公の言動にイライラした人もいたんじゃないかと思う。



■ラブコメでは割りとよくあるシチュ
この小声と難聴のコンボは、男主人公一人に対して複数の好意を寄せている女子がいるといったラブコメではよく使われている。

はがないNEXT 第9話の「ちょっとだけ惜しい気もするけど」と婚約を否定されたことによる残念さを表した星奈の小声を、小鷹が聞いていたとすると、「こいつ俺との結婚まんざらでもないのか?」と(普通は)星奈の好意に気づいてしまう。
その時点で、小鷹は好きか嫌いかをはっきりとさせないまでも、星奈のことをどういう風に思っているかを考える必要が出てくる。
そのままスルーしても進行上は問題ないだろうけど、自分に好意を寄せている女子の存在を知ったキャラが何もなかったかのように振舞い続けるのは、そのヒロインのことを好きな視聴者から見たら、ヒロインを蔑ろにしていると憤慨されるやもしれぬ。

小鷹が星奈のことを好きか嫌いか考え出すということは、視聴者から見たら複数いるヒロインの内の一人・柏崎星奈が、主人公・小鷹と結ばれるか否かのターニングポイントにもなる。

もし小鷹が"好き"の感情を持っていたら、星奈とのルートに決まって他のヒロインとの恋愛要素の意味が薄まる。逆にその気がなかったら恋愛対象から外れる。
今はよくわからないと、考えたけれどあやふやに進行したとしても、星奈が自分のことを好きなのだと小鷹は知っているわけだから、そのように振舞う必要があるわけで、それならば好きや嫌いかをはっきりさせる前段階、聞こえないフリもしくは本当に聞こえないのどちらかを選択するほうが楽。そして小鷹は難聴のフリをして決断から逃れてきたというわけで今に至る。


■はっきり言わないヒロインも悪い
と、難聴がよくネタに上げられるけど、ヒロインの小声も有り体に言えば、どっちつかずの逃げ越しな対応なわけで、 ヒロインが小声で喋るのを具体的によくありそうなシチュエーションに当てはめてみると、
ヒロイン(典型的なツンデレ気質)がお弁当を作ってきて、
「これ作りすぎちゃったから良かったらあげるわ」と男に差し出して、
「べ、別にあんたのために作ったんじゃないんだからねっ!」と本当は男にあげるつもりで作ってきたのに真意とは逆のツンを押し出す。
その弁当を男は受け取り、中を開けてみると「これ俺の好きなものばっかりだよ」と喜びの声を上げる。
それもそのはずである。彼女は男のために、男の好きなものばっかりを入れて弁当を作ってきたのだから。そしてここで彼女の好意を吐露する真意の一言、
「……そりゃ、あんたの好きなものを入れてきたから」と小声で喋りデレが入る。
ここで小声じゃなくて、普通の声で応対していたら、鈍感で難聴じゃない限り、男は自分のことを特別扱いしているヒロインを意識し始めると思うし、恋仲も進展すると思う。けれど、ヒロインは主人公に聞こえるか聞こえないかの小声で喋るので、男の意識は停滞のまま(現実の一般的男なら弁当を作られてきたら普通意識してしまうけど)。

んでもって、小声のままストーリーを進めると、
男側は彼女のデレの部分を知ってはいけないので、お約束の「え、なんだって?」と聞き返して、何を言っていたのかはわからない風を装う。これを関係が壊れないように意図的にやっていたのがはがないの主人公で、次に続く言葉はヒロインの「なんでもないわよ!」の打ち消しの言葉。


■使い古されてるシチュだといっても
ということで、難聴も小声も視聴者から見たら、めんどくさいことをしているなあという風にしか感じられないんだけど、ラブコメのストーリーを円滑に進める上でなくてはならないファクターなんだと考え出したら、けっこう奥が深いんだと勝手に感慨深くなる。


■まあ、さっさと超絶天使志熊理科様とくっつけばいいと思うけど


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