2010/05/29

Angel Beats! 第9話

今語られる天使・立華奏の本当の目的。
不器用すぎる彼女が彼らに伝えたかったこととは――!

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ということで、Angel Beats! 第8話 「In Your Memory」
100人もの冷酷な分身をその身に取り込んだ奏。彼女は今も保健室のベットで起きる気配がなかった。そんな中、傍らで看病していた音無が眠りにつき生きていた時の記憶を思い出していた――

「奇跡は起こらないから奇跡って言うんですよ」
と言っても、死んだ人が生き返るとか時が元に戻るってレベルの奇跡ではなく、主人格が100体の分身に勝ったのは奇跡ではないですね。
最初に音無が生前の記憶を思い出すきっかけは、直井の催眠術によるものだった。主要キャラでただ一人記憶喪失だったのにそんな簡単に戻していいの?って思っていたけど、その時に思い出した記憶が全てではなかったぽい。
今回音無が「全部思い出した」と言ったので、第7話までに思い出した記憶が不完全だったってことがわかる。
□催眠術で思い出した記憶(第7話):妹の闘病生活→妹の死亡→音無やさぐれ期間→医者になる夢(希望)を見出した音無→センター試験に向かう電車で事故に巻き込まれる→夢半ばで死んだと思い死に切れないと涙する
□寝てたら思い出した記憶(第9話):事故の起きた電車内で目覚める→持ち前の医学知識で乗客を助ける→一緒にいた仲間と共に生存を画策する→力尽きて死ぬ寸前に自分の生きてきた証(ドナー登録)を残す→俺の体は誰かを助けられたはずと思い報われた気持ちになる

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「きっとその誰かは、見知らぬあなたに『ありがとう』って一生思い続けるわね」
記憶を思い出したことにより、自分の人生がそう悪いものじゃなかったと思えるようになった音無。
しかし、音無はそのまま消えなかった。
仲間たちのことを思い、自分と同じ報われた気持ちになってこの世界を去れればいいなと思うようになる。
「また新しい人生も悪くない」と。
この台詞に対して奏は「でしょ」と返答。
ここで奏の目的が明らかになる。
報われた気持ちになってこの場所を去っていって欲しいという願い。
「真面目に授業を受けたら幸せなのか?」
「部活動したら満たされるのか?」
「だってここに来るのはみんな青春時代をまともに過ごせなかった人たちだもの……知らなかった?」

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若者たちの魂の救済場所であり、本当はこの場所にいたい人なんていない。
人生の理不尽に抗っているだけであり、それを奏は「そうじゃない」と理不尽じゃない人生を教えてあげたくて、人並みの青春を送らせてあげたくてここに留まろうという彼らを説得してきた。
それを言葉に出さずに行動(生徒会長としての権限)で抑圧してきたことによってすれ違いが起きてしまった。

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そして、奏の目的を知った音無は、ここから皆(SSS)を卒業させようと天使・奏と協力することにしたのだ。そうすることが音無の心残りであり、消えなかった理由でもあるから。
奏は冷酷な感情の人格になったと偽り、SSSの敵であり続けることを音無に指示され、生徒会長に戻る。音無はSSSに戻り、皆を卒業させようと過去の話を聞こうとすることなった。
さて、ここで第7話にて催眠術で記憶を取り戻す際に、音無が懸念していた「もしかしたら俺の記憶のせいでこの生活が終わってしまうんじゃないか」っていう考えは当たりましたね。
明確な意思を持って皆を卒業させようとすることは、この生活を終わらせるってことにも繋がる。世界の根本を揺るがす記憶というわけではなく、単純な自分の中の意思の変化だけど、なかなか丁寧な伏線だと思います。
残り数話でどう落としていくんでしょうかね。

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気になる問題
・「新しい人生」とあるので輪廻転生もの?
・天使・奏の存在理由。何でそんなことをするのか、誰かが命じた?自発的に?→卒業させることにより報われて転生?
・全て卒業させた後の天使の存在意義
・青春時代をまともに過ごせなかった→青春を生きる前に死んだ人は?→音無妹の存在