2011/09/28

鬼物語

"鬼"の物語かと思ったら、"蝸牛"の物語だった。

鬼物語 (講談社BOX)鬼物語 (講談社BOX)
西尾 維新 VOFAN

講談社 2011-09-29
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"誤解を解く努力をしないというのは、嘘をついているのと同じなんだよ"

阿良々木暦の影に棲む吸血鬼・忍野忍。
彼女の記憶から呼び覚まされた、 "怪異を超越する脅威"とは…!?
美しき鬼の一人語りは、時空を超えて今を呑みこむ―!!


八九寺真宵、退場!

時系列的には、『傾』のタイムリープから帰還した翌日からと後日談で12月の話。
『恋物語』は多分撫子(神ver.)とのバトルなどになりそうなので、時期としてはバラバラになりそうだけど、セカンドステージをまとめると、

『傾』(8月)→『猫(白・前半)』(8月)→『鬼』(8月)→『猫(白・後半)』(9月)→『囮』(11月)→『鬼(後日談)』(12月)→『囮(後日談)』(3月・卒業式)→『花』(卒業式後)

こんな感じか。
時系列がバラバラなのはいいけど、作中で物語の進行に関わるメタ発言が多々あるから、いつ起こった出来事なのか明確にできないので、大体の時間という感じで。


閑話休題。
本来だったら成仏しているはずの八九寺が執行猶予、ロスタイムばりに現世をうろうろするのは、そりゃおかしい話で、怪異としての役割(人を惑わす蝸牛の怪異)が消滅した時点で、その存在は普通の人間のように形ないものとしてなくなるのが普通。
どこで八九寺が現世に居続けられる理由を示唆するのかと思ったら、「やっぱり駄目でした、世界のルールはそれを認めません」ときたもんだ。酷いよ『くらやみ』。本来だったら21歳だけどちょっと同年代の女の子より成長している人をロリの道へと迷わせるツインテールの10歳って位置付けで留めておくことはできなかったんですか。
まあ、怪異が怪異としての存在理由がなくなった時点で、世の理から外れるのは仕方ないことではあるか。怪異は人に認知されて初めて怪異成り得るのだから、本来の意味での怪異が違う怪異になってしまうならば、それは本来の怪異でなくなってしまうから。

まあ、お別れのシーンとかもう涙なしには読めないので、八九寺スキーは読むべき話。
あと、化物語が誇るロリキャラオールスターズ勢ぞろいの巻なので、そこらへんの嗜好の人も。

□回収された伏線
・忍とのペアリンクを切っていた理由
・神原駿河との冒険の理由
・初代怪異殺し眷属化の理由
・初代怪異殺し自殺の理由
・塾炎上の理由

□回収しろよ伏線
・忍野扇の存在 ← まじで何だこいつ。世界のルール?上位存在?『くらやみ』?
・対撫子(神ver.)戦 ←恋物語?
・臥煙の依頼(暦と神原駿河の冒険)の詳細 ← 書かれなさそう
・暦が女性の髪を切った人リストの二人目 ← 撫子のような気がする


『花物語』で阿良々木暦の生存が確認されてるから、『恋物語』で主人公死亡エンドなんてことにはならないとは思うけど、ボロ雑巾のようにボロボロになった状態からどうやって対処するのか気になるところ。ただ、『夢渡』という"怪異を生き返らせる刀”の存在が出たので、その刀で撫子(神ver.)を切って蛇(神)と撫子を分離させそう。どうやって撫子が神になったのか詳しいことは読み返さないと思いだせないから、見当違いのこと言ってるかもしれないけど、ここで出したってことは使う可能性はなきにしもあらず。

しかし、もう八九寺と暦の掛け合いは読めないと思うと寂しい気持ちはある。