2011/09/23

灼熱の小早川さん

圧倒的に挿絵が足りない。
章ごとの挿絵で二人の距離を表しているんだろうけど、そこじゃない。
そこじゃないんだよ、僕が望んでいるのは。

灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)灼熱の小早川さん (ガガガ文庫)
田中 ロミオ 西邑

小学館 2011-09-17
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 小早川さん。仲良くなったらなんになる?

 人間関係も勉強もそつなくこなし、万事如才ない高校生となった飯嶋直幸。県下でもトップレベルの進学校に入学した彼は、なに不自由ない学園生活を手にした。
 伝統と自粛のバランス――そんな口当たりのいい雰囲気に突然水を差したのは、クラス代表となった小早川千尋。自ら代表に立候補し、履行の邪魔なので副代表は不要と言いはなった眼鏡女子。常にテンション高め、ガチガチの規律でクラスを混乱に陥れる彼女のその手に、直幸は炎の剣を幻視する。そして彼女の心の闇を知るのだが――。
田中ロミオ最新作は、ヒロイン観察系ラブコメ!?


■雑感
読み終わった後、もう終わりかよ!!って漏らすくらい、盛り上がりにかけて終始落ち着いた感が否めない。
最後は最後でハッピーエンド?と疑問符を置きたくなるような感じだけど、1-Bの面子にはもっと罰のような出来事が起きて欲しいとは思った。
この学校の設定は進学校なのに、進学しそうにない底辺校のクラスのようだった。大学進学を考えてない内申点なんてどうでもいい人たちの集まりなのかな。普通進学校入ったら、そこら辺考えて、めんどくさくても打算的に動くとは思うんだけど……、現実では。


■なんだかなあ……
俺はやりたくないけど、誰かやってくれないと困るという考えと出る杭になりたくないっていう集団心理に加えて、小早川さんへの当て付けの意味も込めて、あんなクラスになってしまったと考えると、小早川さんがいなければ、それはそれで普通のクラスになっていた節はある。そう考えるとあそこまで壊れていたのは小早川さんが原因とも言えるけど、仕切る人がいないと難しいのか。

その仕切る人であった小早川さん。本来だったら頼る人もいない中、一人古今奮闘したいただろうけど、飯嶋がいたから精神的に弱くなってしまって途中で病む。けれど、飯嶋がいなかったら、生徒会や委員会の仕事はすぐに破綻してしまっただろうし、破綻した後は学校側(教師?)が介入したのだろうけど、味方がいたからこそ、あそこまで頑張ってたってのもある。


■文化祭は仕切ったほうが楽
文化祭の準備でクラスが一人また一人と改心していくかと思ったが、そんなことは微塵もなかったぜ。とりあえず、二人が落胆していた他校の文化祭の内容が本当にあったことに驚いた。ジェットコースターなんてもっと(あったとしても)ショボイと思っていたけど、動画を見たら想像以上でワロタ。
・ジェットコースター→いろいろな学校のジェットコースター画像と動画
・和風庭園→画像(天理高等学校2008年度)

ちなみに、自分が高校の時は、お化け屋敷と迷路、じゃがバター販売だった気がします。ちなみに、3年時は飯嶋と同じように「休憩室」を提案しました。


■簡素すぎるので
小早川&飯嶋の1-B更生プログラム ←口八丁手八丁で更生してみて欲しかった
小早川&飯嶋のイチャコメ ←もっとデレろよ!
小早川さんの裁判日記 ←もっと痛い言動して欲しい
炎の剣という名の言葉の刃 ←具体的に何を言ったのか、どんな面白い酷い罵声を浴びせたのか知りたい。それにしても炎の剣って言い方がかっこいい。何か信念みたいなのを感じる。


それと、小早川さんがヤサグレた時にブログにUPしていた過激な水着の写真が足りない。